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ヘアケア

頭皮湿疹の原因は?かゆみ・赤みの理由や頭皮シャンプーの選び方・ケア方法を解説

Post:2025.05.23

「この頃、頭皮がかゆい」「頭皮に赤みやガサガサしたところがある」「シャンプーをしてもスッキリしない」こんな悩みを抱えていませんか?
頭皮はデリケートな部分で、乾燥や皮脂バランスの乱れによって、湿疹や炎症が起こりやすくなります。とくに、シャンプーや整髪料などの外部刺激、ストレスや生活習慣の影響を受けやすいため、適切なケアが欠かせません。
頭皮湿疹が気になるときは、毎日のシャンプーを見直し、頭皮環境を整えることが大切です。洗浄力が強すぎないシャンプーを選び、保湿成分を意識することで、すこやかな頭皮を目指せます。
この記事では、頭皮湿疹の主な原因やケア方法、シャンプーの選び方を詳しく解説します。

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この記事を書いた人

株式会社ヤマサキ 研究開発部井堰裕子

約40年にわたって髪と頭皮を研究しているラサーナの毛髪診断士。 ヘアケア・スカルプケアの研究開発に携わって15年です。お客様の美髪や、健康な頭皮のため、安心・安全を意識した商品作り、品質担保に日々奮闘しています。

頭皮湿疹とは?

「頭皮湿疹」とは、頭皮に炎症が起き、かゆみや赤み(紅斑)、ぶつぶつ(丘疹)、水ぶくれ(水疱)などの症状が現れている状態のことです。症状の現れ方には個人差があり、複数の症状が重なる場合もあります。

<頭皮湿疹によく見られる症状や状態>

  • 頭皮のかゆみ
  • 炎症による赤み(紅斑)が出る
  • 小さなぶつぶつ(丘疹)が出る
  • 水ぶくれ(水疱)が出る
  • フケが出る
  • シャンプーや整髪料などがしみる
  • 頭皮に痛みを感じる
  • 頭皮が乾燥してガサガサする
  • 頭皮がヒリヒリとする
  • 頭皮のベタつきや臭いが気になる …など

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頭皮湿疹の主な原因

頭皮の湿疹には、さまざまな疾患が関係している場合があります。代表的な皮膚疾患としては、以下のようなものがあります。

症状が長引いたり悪化したりする場合には、早めに皮膚科などの医療機関を受診することをおすすめします。

接触皮膚炎(接触性皮膚炎)

接触皮膚炎(接触性皮膚炎)とは、外部からの刺激やアレルギー反応などによって引き起こされる炎症の一種です。一般的には「かぶれ」とも呼ばれ、染毛剤(ヘアカラー)やパーマ液、シャンプー、整髪料などの身近なヘアケア製品が原因となる場合があります。
これらの成分が頭皮に触れたり、摩擦が加わったりすることで、以下のような症状が現れる場合があります。

  • かゆみ
  • 赤み
  • 発疹
  • 水疱 …など

使用する製品が肌に合っているかを確認し、刺激を感じた場合はすぐに使用を中止するなど、早めの対処が大切です。

脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)

脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)とは、皮脂の過剰分泌や頭皮の常在菌であるマラセチア菌の増殖などが原因で発症することがある皮膚トラブルです。
脂漏性湿疹(脂漏性皮膚炎)は、主に以下のような症状が現れるとされています。

  • 赤み
  • かゆみ
  • フケ
  • 黄色っぽいかさぶた
  • 鱗屑(りんせつ:細かいフケのようなもの) …など

これらの症状から、「皮脂が多い=脂性肌」だと思い込み、洗浄力の強いシャンプーでしっかり洗おうとする方も多いかもしれません。
しかし、必要な皮脂まで取り除いてしまうと、頭皮が乾燥し、かえって皮脂の分泌が過剰になる場合もあります。頭皮の状態に合わせて、やさしい洗浄力のシャンプーを使う、洗いすぎに気をつけるなどのケアが大切です。

皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥性皮膚炎)

皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥性皮膚炎)とは、皮脂の分泌が減って肌や頭皮が乾燥し、バリア機能が低下することで起こる皮膚疾患です。
主な原因には、洗浄力の強いシャンプーの使用や熱いお湯での洗髪、乾燥する季節の影響、生活習慣の乱れなどが挙げられます。
皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥性皮膚炎)には、主に以下のような症状が見られます。

  • 頭皮のかゆみ
  • フケ
  • 赤み
  • ガサガサとした乾燥 …など

やさしい洗浄力のシャンプーを選ぶ、ぬるま湯でやさしく洗う、保湿成分を含んだケアアイテムの使用などで、頭皮への刺激を減らし、乾燥を防ぐケアを取り入れていきましょう。

膿痂(のうか)湿疹

膿痂湿疹とは、頭皮にできた傷口などから細菌が侵入・繁殖することで発症する皮膚トラブルのひとつです。
乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下していると、細菌に感染しやすくなるといわれています。
膿痂湿疹は主に、以下のような症状が現れることがあります。

  • 水疱(みずぶくれ)
  • 膿疱(のうほう)
  • かゆみ
  • 痛み …など

頭皮を強く掻く、爪を立ててシャンプーをする、ブラッシングで過度な摩擦を与えるなどで、頭皮に傷をつけるきっかけになる場合があります。頭皮に傷があるときは、刺激の強い洗髪や過度な摩擦を避け、頭皮を清潔に保つよう心がけましょう。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、アトピー体質(アレルギー体質)や皮膚のバリア機能が弱い方に起こりやすい、慢性的な皮膚疾患です。強いかゆみを伴う湿疹が全身に現れやすく、頭皮も例外ではありません。
頭皮にアトピー性皮膚炎による湿疹が出るきっかけとして、以下のような要因が挙げられます。

  • 汗や皮脂の刺激
  • ストレス
  • 石けんやシャンプーの成分
  • 温度の高いシャワー
  • 頭皮の洗いすぎ …など

外部からの刺激に敏感な状態になっているため、なるべく刺激の少ないシャンプーを選び、洗髪時も頭皮をやさしく扱うことが大切です。症状が強く現れる場合は自己判断を避け、早めに専門医へ相談しましょう。

頭皮湿疹はヘアケアや生活習慣が原因になることも

頭皮湿疹は上記で紹介したような皮膚疾患や体質のほか、日常のヘアケアによる刺激や生活習慣が関係している場合もあります。

ヘアケアによる刺激

以下のようなヘアケア習慣は、頭皮への負担となり、頭皮湿疹の発症や悪化につながるケースもあります。

  • 洗浄力が高く、刺激の強いシャンプーを使っている
  • 洗髪のときに爪を立てたり、力を入れすぎたりしている
  • シャンプーをすすぐ時間が短く、洗い残しがある …など

これらに心当たりがある方は、これから紹介するシャンプーの選び方正しいシャンプー方法を参考に、頭皮にやさしいケアを心がけてみましょう。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、頭皮湿疹の発症や悪化につながる場合があります。
たとえば以下のような生活習慣は、頭皮環境を乱す要因のひとつと考えられています。

  • 睡眠不足やストレスの蓄積
  • 栄養バランスの乱れた食生活
  • 運動不足や不規則な生活リズム …など

頭皮ケアを考えるうえでも、日々の生活習慣を見直していくことが大切です。

頭皮湿疹が気になる方におすすめのシャンプーの選び方

頭皮に湿疹などのトラブルがあるときは、頭皮が敏感になっていることが多く、 いつも通りのヘアケアが刺激になる場合もあります。 そんなときは、刺激の少ないシャンプーでやさしく洗うようにしましょう。

また、今は症状が出ていない方でも、日頃から頭皮環境に配慮したシャンプーを使うことで、 将来的なトラブルの予防や、健やかな頭皮を保つことにもつながります。
ここでは、頭皮に負担をかけにくいシャンプーの選び方をご紹介します。

洗浄成分がマイルドなものを選ぶ

頭皮湿疹があるときは、刺激の強い洗浄成分が症状を悪化させる場合があります。
そのため、頭皮の負担を減らすためにも、刺激の少ないアミノ酸系洗浄成分を使ったシャンプーを選ぶのがおすすめです。アミノ酸系シャンプーは弱酸性で肌や髪にもやさしく、必要な皮脂や潤いを残しながら洗い上げることができます。

保湿成分を確認する

頭皮湿疹があるときは、乾燥によって頭皮のバリア機能が低下している場合があります。この状態が続くと、外部からの刺激に敏感になりやすく、症状がなかなか改善しないこともあります。
そのため、頭皮のうるおいを守る保湿成分が配合されたシャンプーを選ぶことが大切です。セラミドやヒアルロン酸などの成分は、乾燥を防ぎながら頭皮をやさしく保護する働きが期待できます。
また、海藻のエキスも、うるおいを与えながら頭皮環境を整える成分として知られています。

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頭皮の負担になる成分を避ける

頭皮湿疹があるときは、洗浄成分だけでなく香料や着色料などの添加物による刺激にも気をつける必要があります。
頭皮が敏感なときには、シャンプーを選ぶ際に避けておくと安心です。

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頭皮湿疹が気になるときのシャンプー方法

頭皮湿疹が気になるときは、洗い方にも注意が必要です。洗髪時に刺激を与えすぎると、症状が悪化してしまうこともあります。

ここでは、正しいシャンプーの手順をご紹介します。

  1. お風呂の前に
    入浴前には、しっかりとブラッシングをして、髪のほつれやほこりなどの汚れを落としましょう。
  2. シャンプー前に、お湯だけで髪と頭皮をしっかりと洗う(予洗い)
    シャンプー前には、髪と頭皮をお湯で予洗いしましょう。ぬるま湯(38度くらい)で2〜3分ほどかけて、しっかりと洗います。予洗いで、一般的な髪の汚れの半分程度を落とすことができます。
  3. よく泡立てて、指の腹で頭皮をマッサージするように洗う
    シャンプー時は爪を立てず、指の腹で優しく頭皮を洗います。シャンプー専用のスカルプブラシ(ヘアブラシ)を使うのもおすすめです。
  4. 洗い残しがないように丁寧にすすぐ
    すすぎ残しが頭皮湿疹の原因となるので、しっかりとすすぎましょう。耳の周りや首の後ろが残りやすいので要注意。トリートメントの後も同様に、きゅっとした感覚になるまで、ぬるま湯でしっかり洗い流す、を心がけましょう。
  5. ドライヤーの熱ダメージを抑えながら乾かす
    ドライヤーの前には、タオルドライで髪の水分を優しくオフしましょう。ドライヤーは手早く短時間で行います。高温で髪に近づけすぎると地肌を乾燥させるため、髪から30cmほどはなして低温で乾かしましょう。

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頭皮湿疹が良くならない場合は?

シャンプーの選び方や使い方、生活習慣を見直しても、頭皮湿疹の症状がなかなか改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。

頭皮湿疹の治療では、ステロイド外用薬や抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩)を配合したシャンプーなどが処方されることがあります。
ただし、症状の種類や程度によって使用法が異なるため、自己判断で市販薬などを使うのは避けましょう。
がまんできないほどの強いかゆみやかさぶたがある場合、また頭皮以外にも湿疹などの症状が出ている場合は、早めに医療機関を受診して適切な処置を受けましょう。

頭皮湿疹が気になる方は、シャンプー選びと正しいケアを

頭皮湿疹が気になる場合は、頭皮にやさしいシャンプーを選び、正しいケアを継続していくことが大切です。生活習慣も見直しながら、健康的な頭皮環境を目指しましょう。

健やかな頭皮と髪のための生活習慣

<バランスのよい食事をとる>

ビタミンやミネラルなど、髪や頭皮に必要な栄養素を意識してとるようにしましょう。

<質のよい睡眠を確保する>

十分な睡眠をとることでホルモンバランスが整い、頭皮の回復力が高まりやすくなります。

<紫外線対策をする>

外出時は帽子や日傘を使って、紫外線による頭皮へのダメージを防ぎましょう。

頭皮環境を整えるために欠かせない頭皮ケア

頭皮に不調を感じているときは、日常のケアを見直すことも大切です。
正しい洗髪方法や頭皮にやさしいケアを習慣にすることで、健やかな状態を保ちやすくなります。
頭皮にトラブルがあるときには、以下のことに気をつけましょう。

<やさしい洗浄力のシャンプーを使う>

アミノ酸系のマイルドな洗浄成分が配合されたものを選び、必要な皮脂は残すようにしましょう。

<丁寧にすすいで清潔を保つ>

シャンプーのすすぎ残しがあると、刺激やかゆみの原因になります。時間をかけてしっかり洗い流しましょう。

<頭皮をやさしくマッサージする>

血行が促され、頭皮のコンディションを整えるサポートになります。

このような習慣を続けていくことで、頭皮の環境は少しずつ整っていきます。焦らずに、自分に合ったケアをコツコツ続けていくことが、健康な頭皮への第一歩です。

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